1. 結成背景とメンバー
Les Thugs(レ・サグズ)は、1983年4月にフランス・アンジェで結成されたパンクロックバンドです。地元アンジェ出身の兄弟、エリック・スーリス(Eric Sourice)とクリストフ・スーリス(Christophe Sourice)が中心となって結成し、その後ボーカルやリズム隊のメンバーが加わって編成が固まっていきました。DIY精神を貫きながらライブ活動を重ね、地元シーンから徐々に活動範囲を広げていきました。
2. 音楽スタイルと特徴
初期はストレートなパンクロックを鳴らしていましたが、キャリアを重ねるにつれてよりメロディックなロックサウンドへとスタイルを変化させていきました。アメリカのハードコアパンクやガレージロックからの影響を感じさせるエネルギッシュな演奏と、疾走感のあるギターサウンドが持ち味です。
3. 代表作とディスコグラフィー
1985年のデビュー作『Frenetic Dancing』を皮切りに、『Radical Hystery』(1986年)、『Electric Troubles』(1987年)、『Dirty White Race』(1988年)、『Still Angry, Still Hungry』(1989年)と精力的にアルバムをリリースしました。1991年の『I.A.B.F.』を経て、1993年発表の『As Happy As Possible』はバンド最大の商業的成功を収め、世界で4万枚以上のセールスを記録しています。その後も『Strike』(1996年)、『Nineteen Something』(1998年)、『Tout doit disparaître』(1999年)を発表しました。
4. 他のバンドやシーンへの影響
フランスのパンクバンドでありながら、シアトルの名門レーベルSub Popの目に留まり、同レーベルを通じて北米のオルタナティブ/グランジシーンとも接点を持った数少ないヨーロッパ発のバンドの一つです。国境を越えたこの活動歴は、後に続くフランス発パンク/オルタナティブバンドが海外進出を目指すうえでの一つの前例となりました。
5. 解散または再結成の有無
Les Thugsは1999年12月、フランス・ラ・ロシュ・シュル・ヨンでのフェアウェルショーをもって解散しました。その後2008年、Sub Pop創立20周年を記念してシアトルでのイベントに出演し、「No-Reform Tour」と呼ばれる限定的な再集結を果たしています。
6. 現在の評価と伝説
Les Thugsは、フランスのパンク/オルタナティブロックシーンを代表するバンドの一つとして、今なお高く評価されています。Sub Popとの関係や、ヨーロッパ発でありながら北米シーンにも足跡を残した点は、後続のバンドにとっても示唆に富むキャリアといえるでしょう。
7. まとめ
1983年のアンジェでの結成から1999年の解散まで、Les Thugsはフランスのパンクシーンで独自の存在感を放ち続けました。Sub Popとの縁を含む国際的な活動歴は、同時代の多くのヨーロッパのパンクバンドの中でも際立った経歴です。

